第3章：高度なプロンプトテクニック
Stable Diffusionを本格的に使いこなすためには、「プロンプト（prompt）」の設計力がカギになります。この章では、初心者から中級者を脱するために役立つ、実践的なプロンプトテクニックを豊富な実例付きで解説していきます。
プロンプトの基本構造の再確認
Stable Diffusionのプロンプトは、画像の構成要素（人物、背景、表情、ポーズなど）を順序立てて記述することで、より明確な出力を得ることができます。
基本構造は以下の通り：
masterpiece, best quality, (1girl), blonde hair, blue eyes, school uniform, smile, looking at viewerこのように、「全体の品質タグ」「主題」「詳細要素（服装や表情）」の順で組み立てます。
【1】強調表現とその使い方
プロンプトに括弧を用いることで、特定の要素を強調することができます。
- (blush)：1段階の強調
- ((blush))：2段階の強調
- (((blush)))：3段階（やりすぎ注意）
逆に、出したくない要素はネガティブプロンプトに記述します：
lowres, bad anatomy, extra fingers, watermark, text, cropped【2】感情やシチュエーションの導入
たとえば「本番前のドキドキした空気感」を出したいとき：
shy smile, blushing, holding hands, nervous, dim light, romantic atmosphereこのように「感情」「ポーズ」「環境要素」を組み合わせて、場面の雰囲気を作ります。
【3】構図と視点の指定
構図タグを追加することで、より印象的な画面構成に。
- from below：下から見上げた構図
- from behind：後ろ姿
- close-up：顔のアップ
- dynamic angle：動きのあるカメラワーク
【4】前戯をイメージした構成例
※NSFW表現に配慮しつつ、前戯的なイメージを伝えるプロンプト例：
1girl, blushing, lying on bed, shirt lifted, seductive gaze, hands on chest, soft lighting, intimate pose上記はあくまで「直接的な描写」を避けつつ、雰囲気を伝える構成となっています。
【5】ネガティブプロンプトの高度活用
理想的な画像を出力するには、不要な要素を取り除くことも重要です。
EasyNegative, ng_deepnegative_v1_75t, (bad hands), (extra arms), poorly drawn face, lowres, blurry, watermarkこのような精緻なネガティブプロンプトを活用すると、画像の品質が飛躍的に向上します。
【6】プロンプトテンプレートの作成
よく使うプロンプトはテンプレート化しておくと便利です。
masterpiece, best quality, 1girl, school uniform, (blush), (close-up), looking at viewer, shy smile, soft lightingテーマに合わせて差し替えるだけで、多様な出力が可能になります。
【7】構成ごとの出力比較（テキストのみ）
下記のように、プロンプト構成を変えるだけで出力結果が大きく変化します。
| プロンプトA | プロンプトB |
|---|---|
| 1girl, school uniform, smile | 1girl, school uniform, blushing, shy smile, holding hands, close-up |
| 普通の記念写真風 | 恋愛描写のような甘い雰囲気 |
まとめ
プロンプトの工夫次第で、Stable Diffusionはまるで”意思を持っているかのよう”に応えてくれます。ぜひこの章の内容を活かして、自分だけの世界観を描き出してみてください。
次章では、ControlNetなどの外部拡張によって、構図やポーズをさらに自由自在に操る方法をご紹介していきます。